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2008年08月11日

ささやかな幸せ 003 鵜飼見物

 先日の夕暮れ、久しぶりに長良川の畔へ夕涼みに行きました。今は「観光鵜飼」のシーズンです。河原の遊歩道に腰を下ろし、目の前で繰り広げられる「鵜飼」を見物するのは、なかなか情緒があり、少々贅沢な夕涼みといえます。
 鵜舟は、長良橋の上流からかがり火を燃やし、鵜匠さんが鵜を操りながら、何艘もの見物の屋形舟を従えて、ゆっくりと下ってきます。こっ、こっ、こっ・・・と、リズミカルに船縁を叩く音が次第に近くなって、かがり火の薪がぱちぱちと燃え盛る音も、耳に届きます。水面に映るかがり火の炎が赤々とゆらめき、そこに時折、水面に顔をのぞかせる「鵜」の姿も見ることが出来ます。そして屋形舟からは、大勢の見物客の歓声が沸き上がります。
 こんな瞬間、私は「岐阜」を感じます。黒々とそびえ立つ金華山をシルエットに滔々と流れる長良川。その川面に浮かぶ鵜舟や屋形舟、かがり火の炎の鮮やかなゆらめき。畔を抜ける涼しい夜風・・・。そう、この風景は、私の子供の頃から少しも変わっていないんです。まるで時が止まっているような錯覚さえ起こします。
 やがて、六艘の鵜舟が川幅いっぱいに並んで狩り下りをするクライマックス「総がらみ」です。鵜匠さん達の見事な鵜さばきに、屋形舟からは一層大きな歓声が上がります。かがり火も一段と大きく燃え盛ります。それは、つかの間の夢のような光景です。
「おもしろうて やがて悲しき 鵜舟かな」 芭蕉





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